NC加工を業者に依頼するときの流れ8ステップ
この記事では次の内容をまとめています。
・NC加工を依頼するときの流れ・NC加工の価格の決まり方
・依頼するときのよくある疑問
NC加工を依頼したいけれど、納品までどんな流れがあるのか不安という方が知っておくべきことを全てまとめました。
NC加工を依頼するときの流れ8ステップ
この章ではNC加工を依頼して納品されるまでの流れをご紹介します。
問い合わせ
まず、業者に問い合わせをします。
このとき、材料や形状など、大まかな依頼内容を伝えると対応可能かどうか答えてもらえますし、この後の流れがスムーズに進みます。
問い合わせの方法は企業によって異なります。
NC加工を受注している会社は現場での作業が多いため、電話はすぐに気付けても、メールやLINEは確認する手間がなかなか取れず、気づくのに時間がかかることもあります。
打ち合わせ
具体的な依頼内容を業者とともに話し合います。
例えば、次のようなことを決定します。
・数量・金属の材料
・寸法
・特殊加工の有無
・工程
・納期
・完成品の輸送方法
このとき、不明点や要望があれば遠慮なく伝えることでトラブルを防ぐことができます。
見積もり
打ち合わせの際に決まった内容をもとに業者が見積もりをします。
金銭トラブルを避けるためには見積書を書面で提出してくれる企業を選びましょう。
書面がなければ後で思わぬ追加料金がかかり、予定よりも出費が増えることがあるからです。
見積もりの内容が諸条件に合っているか判断しましょう。
発注
見積もりの内容に納得できたら、その旨を企業に伝えましょう。
これで正式に発注となり、加工が始まるため、依頼者側はあとは待つだけとなります。
データ作成
依頼者側が持ち込んだ図面や実物を参考にCADやCAMを使って図面を作成します。
同時に、使用する素材の発注なども行います。
加工
加工を開始し、本格的に製作のプロセスに入ります。
加工だけでなく、組み立てや各種処理など、他の工程も依頼している場合はその分、完成までに時間がかかります。
検査
完成したら製品に問題がないか検査を行います。
企業によって検査方法は異なり、製造班が検査をした後に改めて検査班がチェックするような体制を作っているところもあります。
また、マイクロスコープや三次元測定器など、検査に使用する機器の種類も様々です。
検査体制がしっかりしている企業に依頼すれば、納品後のトラブルが少なくなるので安心です。
納品
検査に問題がなければ無事に納品となります。
納品方法は持ち込みや郵送などがあり、打ち合わせの際に決めた方法で届きます。
製品が届いたら、破損していないか、寸法は合っているかなど、問題がないか必ず確認しましょう。
問題がなければ取引は完了です。
NC加工の価格を決めるポイント5選
この章ではNC加工の価格を決めるときの主な要素をご紹介します。
素材
NC加工にかかる費用には素材代が含まれます。
製品に使用する素材は種類によって値段が異なります。
また、同じ素材でも仕入れるものがどのような形状かによって値段が違います。
さらには、素材代には素材の調達にかかる費用も含まれます。
NC加工は素材を機械で加工していくため、単純に「完成品の重さ×依頼数」が調達する量になるわけではありません。
加工の方法
加工に関しては次のような様々な点が価格に関わります。
・加工に使用する設備の購入にかかった費用・設備の維持費
・加工にかかる時間
・人件費
特殊処理
加工後の表面処理など、特殊処理を行う場合は追加で費用がかかります。
支出は増えますが、その分、品質アップになるなどメリットはあります。
運賃
加工が終わった後、納品する際の運賃代がかかります。
郵送の場合、当然、受け取る場所が遠ければ遠いほど運賃代は高くなります。
加工する場所から近い場合は業者が直接車で配送しに来ることもあります。
全ての工程を一箇所で行う会社では運賃費を抑えられますが、各工程を別々の拠点で行う場合、その分、運搬が増えるため、運賃費は高くなります。
NC加工以外のサービス
NC加工以外に組み立てなどの追加のサービスを依頼する場合は、その分、費用がかかります。
どのようなサービスを提供しているかは業者によって異なるため、打ち合わせの際に確認しましょう。
ここまでNC加工の費用を決める要素をご紹介しましたが、あくまで一般的な例であり、細かい決め方は企業によって異なります。
NC加工を依頼するときのよくある疑問6つ
この章ではNC加工を依頼する際によくある疑問をご紹介します。
依頼したいが図面を用意できない
依頼したいが図面がなく、自社で図面を作るノウハウもない場合、どうしたらいいか不安に思う方もいるでしょう。
このような場合、実物を渡せば設計図を業者の方で作ってもらえることがあります。
また、本格的な図面でなくても、寸法が分かる簡単なスケッチでもいいというところもあります。
問い合わせの際に図面がない旨を伝えましょう。
テスト加工はあるか
テスト加工があるかどうかも気になる点です。
こちらも業者によって異なります。
図面に沿ってテスト加工を行い、依頼したものと同じものができることを確認できれば、安心してその後の本格的な生産に入ることができます。
同じ素材なのに他社と見積もり額が違う
複数の会社に見積もりを依頼した際に、同じ素材にも関わらず見積もり額が異なり、驚くこともあるでしょう。
まず、素材については先ほども少し触れたように、同じ素材でもブロック状、棒状と形の違いによって価格が異なります。
また、業者の仕入れのルートによって変わることもあるでしょう。
さらには使用する設備の種類や加工にかかる時間なども企業によって異なり、見積もり額に違いが出ます。
依頼内容やサービスの内容を考慮した上で、最も納得のいく価格を提示した会社を選びましょう。
希望する納期に間に合わせてほしい
出来るだけ短期間で納品してほしい場合、対応できるかどうかは業者が所有する設備や人手によって変わります。
希望がある場合は問い合わせの際に伝えましょう。
短納期に対応できると書かれている企業でも、次のような場合は納品まである程度時間がかかります。
・材料の在庫がないので仕入れが必要・特殊処理も依頼している
・図面がない
1個だけ製作してほしい
1個だけの製作を希望する場合は1個からの小ロットに対応しているところを選びましょう。
1個だけでは業者に嫌がられるのではと心配する方もいるかもしれませんが、業者側は小ロットでの依頼を何度も経験しているため、心配する必要はありません。
対応しているロット数は業者によってバラバラです。
公式サイトがある業者では受付可能なロット数を書いていることが多いので、問い合わせをする前に自分で調べてみるのもおすすめです。
指値の仕方が分からない
NC加工に対応している業者のホームページを見ると指値見積もりについて書かれていることがあります。
指値とは依頼者側から「1つ○円で製作してほしい」と金額を指定することです。
もちろん、全て自分が言った通りに決まるわけではありませんが、希望がある場合や、早く見積もりの回答が欲しい場合は指値をしてみましょう。
まとめ
NC加工では加工以外にも業者との打ち合わせ、データ作成、検査など、様々な工程があります。
初めて依頼する場合は分からないことが多いと思いますが、疑問や不明点はその都度、遠慮せずに業者に伝えて解消していくことで、安心して依頼することができますよ。
ブログ一覧へ