F1モールディングの工程7ステップをご紹介
この記事では次の内容をまとめています。
・F1モールディングの工程
・F1モールディングでの鋳造の工程
・依頼する人が知っておくべきことF1モールディングを依頼しようと考えている人が知っておくべきことを全てまとめました
F1モールディングの工程7ステップ
F1モールディングは次のような流れで行われます。
ステップ1 砂混錬
ステップ2 型をセットする
ステップ3 下枠に砂を入れて固める
ステップ4 型を反転させる
ステップ5 上枠に砂を入れて固める
ステップ6 プレスして砂を固める
ステップ7 型・枠を抜く
このあと、完成した砂型を用いて鋳造を行います。
F1モールディングでの鋳造の工程9ステップ
この章ではF1造型を含む鋳造を行うときの流れをご紹介します。
ステップ1 造型
まずはF1造型機を用いて砂型を製作します。細かい作り方は先ほどご説明した通りです。
完成した砂型は並べられ、鋳造に移ります。
ステップ2 溶解
鋳造に使用する金属を溶かして液体状にする作業です。
不純物を除去したり、成分を調整したりと、丁寧な作業が求められます。
ステップ3 注湯
溶かした金属を型に流し込みます。
この工程が上手くできなければ不良品が発生する原因となります。
そこで次のような点を意識する必要があります。
・金属を適温に保つ
・スピーディーに注ぐ
ここは経験や感覚が大切なプロセスです。
注湯が完了したあとは金属を冷まし、固まるのを待ちます。
ステップ4 バラシ
金属が固まったら機械で振動を与えながら鋳型を壊して外します。
バラバラになった砂は再利用されます。
ステップ5 仕上げ
バラシを行なった後、製品には砂が付着している状態なので、ショットブラストで除去します。
また、バリの除去も行います。
そのほか、磨きをかけたり、熱処理を行なったりと、適宜、仕上げの作業を行います。
ステップ6 機械加工
依頼の内容によっては仕上げの後で機械加工で切削を行います。
ただし、この工程は鋳造を扱っている全ての業者で対応しているわけではありません。
機械加工まで依頼したい場合は対応可能な業者を探しましょう。
ステップ7 検査
製品に問題がないか確かめる工程です。
検査体制は企業によって異なります。
鋳造は製造の過程で不良品が発生しやすいので、しっかり検査をしてもらえると安心感があります。
ステップ8 塗装
塗装も機械加工と同じように全ての業者が対応しているとは限りません。
もちろん、塗装を鋳造を依頼した業者とは別のところに依頼する方法もあります。
ただし、一社に一貫して依頼した方が打ち合わせの手間やコストが削減できます。
ステップ9 出荷
全ての工程が問題なく終われば出荷となります。
無事に届いたら、仕上がりや寸法に問題がないか確かめましょう。
特に問題がなければ取引は完了となります。
F1モールディングを依頼するときの4ステップ
この章ではF1造型を依頼する際の流れをご紹介します。
ステップ1 問い合わせ
まず、業者に問い合わせをします。
どのような依頼をしたいのか、できるだけ詳しく伝えることでスムーズに話が進みます。
ただし、F1モールディングや鋳造についてあまり詳しくない場合でも問題ありません。
「こんなものを作りたい」というざっくりした依頼でも、詳しくヒアリングして対応してもらえるところもあります。
業者によってできることは異なるので、要望に合うところがどうか見極めましょう。
また、担当者との相性も確認しておくべきポイントです。誠実に対応してもらえそうか、チェックしましょう。
ステップ2 打ち合わせ
依頼の内容をさらに掘り下げます。
・用途
・希望する納期
・機械加工や塗装の有無などを伝えましょう。
疑問点は遠慮せずに聞くことでトラブルを防ぐことができます。
ステップ3 見積もり
具体的な方針が決まったら見積もりを行います。
価格は数量、必要な工数、形状など様々な面を考慮した上で決まります。
このプロセスはトラブルの原因となりやすいポイントです。
詳細が書かれた見積もり書を提示する会社に依頼しましょう。
もし、見積もり書を作成しなかったり、詳しく書かれていない書類を渡す場合、製作が終わった後で追加の料金を要求してくる可能性もあります。
ステップ4 試作品製作
企業によっては量産に入る前に試作品を製作する場合があります。
実際に一度、製品を見ることができると安心です。
F1モールディングを依頼する人が知っておくべきこと6つ
この章ではF1造型を依頼する方が知っておいたほうがいいことをご紹介します。
気温や湿度によって型の仕上がりが変わる
砂型製作は砂を固めて混ぜるだけのシンプルな作業と思うかもしれませんが、実は奥が深いです。
型に使用する砂はその日の気温や湿度によって適切な配合割合が変わります。
この調整が上手くできなければ質の高い型は出来上がりません。
基本的に手作業で行われる
F1モールディングでの型の製造は砂をプレスする際にF1造型機を使用しますが、基本的にはほぼ手作業で行われます。
そのため、細かい依頼に答えたり、小回りのきく対応をしたりと、柔軟な対応が可能なのが強みです。
職人の腕に出来が左右される
前述のように、砂型の製作はほぼ手作業で行われ、気温や湿度に合わせて砂の配分を考えなくてはならないため、F1モールディングは職人の腕に左右される部分が大きいです。
そのため、長くF1造型を扱っていて、実績も多い業者を選ぶと安心です。
自動の造型機のほうが効率が良い
F1造型は基本的に手作業で行われるため、当然、自動の造型機を使用したほうが型の製作は早く終わります。
だからといって、自動造型機のほうが良いわけでなく、
・型の製作にかかる費用が安い
・小回りのきく対応が可能
といったF1モールディングならではのメリットもあります。
多品種生産に向いている
F1モールディングは多品種生産に向いています。
これには
・様々な枠のサイズがある
・型を交換する時間があまりかからない
といった理由があります。
様々な製品を依頼したい場合にF1モールディングはおすすめです。
小物の生産に向いている
F1モールディングは小物の生産が得意です。
具体的にどれくらいの長さ・重さに対応できるかは業者によって異なります。
弊社では枠サイズは250mm×300mm~300mm×350mmの範囲で対応しています。
重量があるものや大きな製品を依頼したい場合は別の造型方法を選びましょう。
F1モールディングに使用するもの4つ
この記事ではF1造型の際に使われるものをご紹介します。
型
木型が使用されることが多いですが、場合によっては金型が使われることもあります。
枠
枠は砂型の周りを囲む部分です。
製作するものに合わせて適切な枠を使用します。
どんな枠を取り扱っているかによって製作できる物の範囲が変わります。
中子
内側に空間がある形状の場合は中子が型に設置されます。
鋳型砂
枠や型に注ぎ込む砂です。
型に使用するために成分が調整されています。
常に一定の成分割合ではなく、気温や湿度に合わせて調整する必要があります。
まとめ
F1モールディングは次のような手順で行われます。
ステップ1 砂混錬
ステップ2 型をセットする
ステップ3 下枠に砂を入れて固める
ステップ4 型を反転させる
ステップ5 上枠に砂を入れて固める
ステップ6 プレスして砂を固める
ステップ7 型・枠を抜く
ほとんどが手作業によって行われるため、職人の経験値によって仕上がりが左右されやすいです。
そこで、F1造型は実績のある業者に依頼するのがおすすめです。
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