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金属加工の試作方法を徹底比較|鋳造・切削・3Dプリンター・MIMのメリット・デメリット

金属加工の試作方法を徹底比較|鋳造・切削・3Dプリンター・MIMのメリット・デメリット

この記事では次の内容をまとめています。

・金属加工の試作方法が大事な理由

・試作方法の選定のポイント

・金属加工の試作方法



金属部品の試作品製作を考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。

金属加工の試作方法の選定が大事な理由

この章では金属部品の試作品を作る際にどの方法を使うか慎重に検討すべき理由をご紹介します。

完成までにかかる時間が変わる

試作方法によって、完成までに要する時間は大きく変わります。

例えば切削加工であれば、図面があればすぐに加工に入れるためリードタイムは短いですが、鋳造やMIMの場合はまず型の準備が必要なので、加工に入るまでに時間がかかり、全体の時間も長くなりやすいです。

開発コストが変わる

試作方法によって開発コストは変動します。

切削加工は完成品よりひとまわり大きい素材を削りながら成形するため、材料費がかさみやすく、単価が高くなることも。

また、3Dプリンターも高額な設備コストが料金に影響することがあります。

一方、板金加工のコストは比較的安いです。

全体の生産コストを左右する

試作方法の選定がそのまま全体の生産コストに直結することもあります。

例えば鋳造は、最初こそ型の製作に手間もコストもかかるものの、金型は使い回しができるため、数量が多いほど単価が抑えられます。

理想的な試作方法はロット数や形状など、条件によって異なるので、試作品の製作段階から慎重に検討する必要があります。

金属加工の試作方法を選ぶときに見るべきポイント7つ

この章では金属部品の試作品の製作方法を選ぶ際に考えるべきポイントをご紹介します。

納期

先ほども触れたように、​​加工方法によって製作時間は異なります。

開発計画に遅れが出ないようにするためにも、各方法のリードタイムを理解して選ぶことが大切です。

設計変更のしやすさ

試作段階で設計変更が発生することは珍しくありません。

品質も機能性も高く、満足のいく製品に仕上げるためには徹底的にこだわることが不可欠です。

そのため、修正への対応のしやすさも重要な判断基準です。

切削加工や3Dプリンターはデータやプログラムを変更するだけなので柔軟に対応できますが、鋳造やMIMは型の再製作が必要になり、時間とコストが増大します。

設計がまだ固まりきっていない段階では、変更に強い加工方法の方が合っているかもしれません。

コスト

初期費用だけでなく、量産を含めた全体のコストも念頭に置いた上で決めることが大切です。

求める形状に対応できるか

切削加工は複雑な内部構造や入り組んだ形状はあまり得意ではありません。

一方で、3Dプリンターなら比較的容易に造形できます。

このように対応できる形状は加工方法ごとに異なります。

高い精度で再現できるかどうかは品質に直結するので、製品の形状に合う方法を選定する必要があります。

必要なロット数を生産可能か

金属の加工方法は大量生産に向いているものもあれば、少量生産の方が得意なものもあります。

そこで、必要な数量に無理なく対応できる加工方法を選びましょう。

対応可能な大きさ

対応できるサイズにもそれぞれ制限があります。

例えば、3DプリンターやMIMは装置や型のサイズによる制約があり、大型部品の製作には向いていない場合があります。

対応可能な素材

加工方法ごとに扱える金属素材は異なります。

鋳鉄、アルミ、ステンレスなど、希望する素材が使用できるやり方を選びましょう。

金属加工の試作方法5つ

この章では金属加工の主な試作方法と、それぞれの特徴をご紹介します。

切削加工

工具で素材を削りながら設計図通りに仕上げていく加工方法です。

基本的には旋盤やフライス盤など、機械によって行われます。

メリット

・機械を用いることで精度の高い仕上がりになる

・すぐに製作に取り掛かれるため短納期も可能


デメリット

・複雑な形状は対応できないことも

・削る加工方法なので材料ロスが発生しやすい

鋳造

金属を溶かして型に流し込み、冷やして固めることで成形する加工方法です。

加工に入る前に、まずは造型作業があります。

型は主に砂型と金型の2種類があり、砂型は一度使うと壊れてしまいますが、金型よりも安く製作できます。

金型は繰り返し使えるため、量産に向いています。


メリット

・型を使い回せるのでロット数が多くなるほど1個あたりの生産コストが安くなる

・複雑な形状にも対応可能

・中に空洞がある形を作れる

・大型の製品にも対応可能


デメリット

・砂型で成形した製品は表面の質感が粗くなりやすい

・型の製作に時間もお金もかかる


3Dプリンター

金属に対応した3Dプリンターで試作品が作られることもあります。

金属粉末を平らに敷き、熱で溶かし、固め、また粉末を敷いて・・・という工程を繰り返すことで層を積み重ねながら成形していきます。

3Dプリンターについて、便利でも完成した製品は実用性に欠けるというイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、製品によっては実際の用途に耐え得る品質になり、そのまま使用されるケースもあります。


メリット

・短納期

・設計の自由度が高く、中に空洞がある形状も可能

・設計変更が容易


デメリット

・対応できる素材に制限があることも

・設備コストが高くなりやすい


板金加工

金属の板に切断、穴あけ、曲げといった加工を行うことで成形します。

手作業で行われる場合もあれば、機械を用いる場合もあります。


メリット

・材料の無駄が少なく、コストが安い

・設計変更が容易


デメリット

・厚みのある製品には向かない


MIM

金属粉末射出成形とも呼ばれます。

MIMは簡単に言うと金型に金属粉末を注入して成形し、その後、脱脂と焼結を行って仕上げる方法です。


メリット

・金型を使用するため量産に向いている

・強度の高い製品を作れる

・複雑な形状に向いている


デメリット

・金型を使用するため造型コストが高くなりがち


金属加工の試作を依頼する業者を選ぶときのポイント4つ

この章では金属部品の試作品製作を発注する業者を選ぶときに見るべきポイントを解説します。

設計から依頼できるか

金属部品の図面がない場合、設計段階から依頼できる業者を選ぶ必要があります。

量産のキャパシティ

業者の規模によって、対応できるロット数は異なります。

特に、小さい会社では大量の製造は受注できない場合があります。

もちろん、試作品製作と量産を別々の会社に依頼するという手もありますが、同じ会社に依頼する方が様々な手間が省けて楽です。

企業側からの積極的な提案があるか

単に依頼どおりに設計・加工するだけでなく、より適した加工方法やコストダウンに繋がる案を提案してくれる業者は心強いパートナーになります。

似たような金属部品の製作実績

同じような部品の製作実績があると、製造する上での注意点や、より良い加工方法が分かるため、スムーズに製作が進み、且つ、品質の高い仕上がりが期待できます。

金属加工の試作のコストダウンを実現する方法2つ

この章では金属部品の試作にかかるコストを削減するコツをご紹介します。

納品を急がない

短い納期を希望すると、特別料金がかかり、通常よりも高い加工費になることがあります。

加工現場は複数の案件を並行して進めていることもあるため、急ぎでない場合は余裕のある納期を設定しましょう。

試作から量産まで一貫生産を依頼

量産まで一貫して依頼すれば、試作段階から量産を見据えて計画され、さらには打ち合わせの手間も省けるため、トータルコストの削減に繋がります。

まとめ

金属部品の試作における加工方法には様々なものがあります。それぞれ特徴や得意分野が異なるため、どの方法で試作すべきかは条件によって異なります。

後悔のない選択をするためにも、業者に要望を隅々まで伝え、ニーズに合うものを見極めてもらいましょう。

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