NC加工の特徴・メリット・デメリットを徹底解説
この記事では次の内容をまとめています。
・NC加工の特徴・NC加工のメリット
・NC加工のデメリット
NC加工を業者に依頼しようと考えている方が知っておくべきことをまとめました。
NC加工の特徴
数値制御装置つきの機械を使って行う加工のことです。
“NC”は” Numerically Control”の頭文字を取ったもので、「数値制御」という意味です。
かつては作業員によるハンドル操作で加工するのが一般的でしたが、NC加工では数値情報で指令を出すため、作業を自動化、省人化します。
NC工作機械では工具経路や加工条件などを指令することができ、綺麗に加工を仕上げます。
NC加工のメリット5つ
この章ではNC加工のメリットをご紹介します。
品質が安定している
人によるハンドル操作ではなく、プログラムに従って自動で加工が行われるため、品質が安定しやすいというメリットがあります。
手動での加工のように、ベテランと新人で仕上がりの質に差が出ることがありません。
また、従業員が疲れにより集中力が低下してミスが起きるということもなく、不良品が発生しにくくなります。
依頼側にとっては納品されたものの不良品があり、交換に手間と時間がかかるということを防ぐことができます。
注文量が多くても納品が早い
NC加工は機械を使うため、注文量が多くても納品が早いです。
手作業の場合、注文量が多いと納品までに時間がかかるのがデメリットですが、機械なら、24時間稼働させたり、同時に複数台を稼働させたりできるため、作業時間が短縮されます。
量が多いものの、出来るだけ早く受け取りたいという場合にぴったりです。
ただし、加工のプログラムを作るプロセスには時間がかかります。
複雑な加工に対応可能
手動ではできないような複雑な加工を行えます。
例えば、R加工のような丸みのある仕上げもできます。
機械の種類によっては加工物を傾けたり移動させたりしなくても全ての加工ができるものもあり、とても便利ですし、生産効率が高くなります。
複雑な加工をお願いしたいという場合に合っているので、打ち合わせの際に対応可能かどうか尋ねてみましょう。
精度が高い
NC加工ではとても細かいレベルの仕上げが可能です。
これはプログラミングの際に細かい単位まで数値を設定できるためです。
どこまで細かく設定できるかは企業が保有している機械に寄るので、細かさにこだわりたい場合は様々な企業と打ち合わせをして、より理想に合う仕上げができるところを選びましょう。
医療品や半導体機器など、特に精度の高さが求められる分野にもおすすめの加工方法です。
様々な素材に対応可能
NC加工では様々な素材の加工物に対応できます。例えば、次のようなものです。
・金属・木材
・ケミカルウッド
・発泡スチロール
・ウレタンフォーム
・プラスチック
打ち合わせの際に希望する素材が対応可能かどうか聞いてみましょう。
NC加工のデメリット2つ
この記事ではNC加工を依頼する前に知っておきたいデメリットをご紹介します。
プログラムの良し悪しは作業者に左右される
NC加工のプログラム作成は作業者のスキルが反映されやすい工程です。
熟練者と初心者の間でクオリティに差が出ることもあるでしょう。
これはプログラムに専門の知識が必要で、経験もプログラミングに反映されるためです。
また、シンプルな構造の場合は制御装置に指令するだけですが、複雑な構造の場合は、より専門的知識が求められる別のツールを使ってプログラミングを作成することもあり、さらにスキルが反映されやすくなります。
安定してクオリティの高いプログラムを作れる業者に依頼したいですね。
コストが高くなることも
コストが他の加工方法より高くなる場合があります。
削って製品を作るNC加工では、加工物の形によってはくずが大量に発生し、元の材料の多くの部分が無駄になってしまうことがあります。
こうした場合は、他の加工方法の方が無駄が少なく、コストも安く済ませられるかもしれません。様々な加工方法を視野に入れつつ、業者と相談するといいでしょう。
NC加工を業者に依頼するときに見るべきポイント6つ
この章ではNC加工業者を探すときに見るべきポイントをご紹介します。
ヒアリングの丁寧さ
問い合わせや打ち合わせの際の担当者の様子をよく見ましょう。
こちらの話に耳を傾け、丁寧にヒアリングしてくれる業者なら安心です。
なぜなら、こちらの要望をしっかり理解するため、スムーズに話し合いが進み、仕上がりも納得いくものになるからです。
また、こちらの疑問をその都度、説明して解消してくれる場合も安心して取引を進めることができます。
信頼できる企業と取引できるように、担当者の態度をよく観察しましょう。
実績
加工業者の実績を確認しましょう。
同じNC加工に対応している会社でも、実績の量はバラバラで、他の業務がメインでNC加工の実績はあまりない業者もあれば、実績が豊富な業者もあります。
当然、加工実績が多い業者の方が技術が高く、納得のいく仕上がりになる可能性が高いです。
そこで、ホームページなどで実績を確認しましょう。
自分が依頼したい素材の加工実績があるかどうかもチェックしておきましょう。
長く取引を続けられるか
これから継続的に依頼したいと考えている場合、長いお付き合いができる企業かどうかも大事なポイントです。
こうした取引でよくあるのが、年齢などが理由で会社が廃業してしまい取引先を失ってしまうというケースです。
実際に、依頼していた企業が高齢を理由に廃業することになったため、弊社にお問い合わせをいただいた例もあります。
長く取引できる会社は打ち合わせが最低限で済み、スムーズに工程が進みます。
そのため、新しく業者を探すなら、これからも事業を続ける予定のところを選ぶのがおすすめです。
受注可能なロット数
対応可能なロット数を確認しましょう。
特に、依頼する量が少ない場合は断られることもあるため、最初に最低のロット数を聞いておくと安心です。
量が多い場合、対応はできても仕上がりに時間がかかることがあるため、納品までどれくらいかかるかを聞いておくのがおすすめです。
他の工程も依頼できるか
業者によっては機械加工以外にも対応している場合があります。
例えば、弊社は鋳造、機械加工、組み立て、検査と一貫して生産できる仕組みが整っており、機械加工以外の工程も行なっています。
他の工程も合わせて依頼するメリットは手間やコストが省けることです。
もし、それぞれの工程を別々の企業に依頼した場合、それぞれの会社で打ち合わせをしなければいけないため、時間がかかります。
また、工程が進むたびに製品を移動させなければならず、運賃がかかります。
一方で、一社に全て任せれば、打ち合わせは最低限で済みますし、運賃コストも省けます。
鉛レス対応ができるか
鉛が人体に悪影響をもたらすことから、世界的に鉛に対する扱いが変わっていて、鉛を使わない素材の需要が高まっています。
実際に、弊社でも製品規格が変わって鉛レス対応をしなくてはいけなくなったお客様がいらっしゃいました。
鉛を使わない素材を求める場合は鉛レス対応ができる業者を探しましょう。
まとめ
NC加工とは数値制御装置がついた機械を使って自動で加工を行うものです。
自動化されているため、品質は安定していて、一度に大量に加工できるというメリットもあります。
ただし、プログラムのクオリティが担当者の腕に左右されやすいというデメリットがあるため、技術力があって実績も豊富な企業に依頼しましょう。
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