バリ取りとは?基礎知識からNC旋盤・マシニングによる自動化まで徹底解説
この記事では次の内容をまとめています。
・バリ取りとは?
・バリ取りの主なやり方
・NC旋盤やマシニングセンタでのバリ取りの自動化
バリについて問題を抱えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
バリとは?
鋳造や切削といった加工の際に発生する突起のような形状の残留物です。
意図せず出来るもので、設計図には記載されていない不要な部分です。
例えば、金属部品を削った後、よく見ると小さなトゲが残っていることがあります。
これを「バリ」と呼びます。
・切削バリ
・せん断バリ
・鋳造バリ
・塑性変形バリ
と様々な種類があります。
バリ取りとは?
その名の通り、バリを取り除く作業です。
バリを放置していると、突起物なので怪我の原因になりますし、寸法が異なることで品質が落ちる可能性も。
このようなリスクを抑えるため、加工のあとは仕上げとしてバリ取りが行われます。
バリをそのままにするリスク5つ
この章ではバリを放置するリスクをご紹介します。
機能性が落ちる
バリが残ったままの部品は、本来想定されている性能を十分に発揮できない恐れがあります。
例えば、機械部品の場合、摺動部にバリが残っていると、摩擦が増大し、想定通りの動きができないことも。
小さなバリでも与える影響は大きいです。
組み付け精度が落ちる
バリが残っていると、組み付けの際に部品同士が正確な位置に収まらず、傾きや隙間が生じることがあります。
また、他の部品を傷つける恐れもあります。
手直しや調整により工数の増加を招き、生産効率の低下にも直結します。
機械の故障を引き起こす
バリが機械の運転中に剥がれ落ちると、周りの部品をを傷つけたり、摩耗、焼き付き、最悪の場合は故障を引き起こすこともあります。
機械が止まると、設備停止や修理費用の増大といった経営リスクに発展する可能性があります。
異物混入
バリ取りを怠ると異物混入の要因になります。
特に、食品、医療機器、電子部品などでは、重大な品質問題になりかねません。
出荷された製品から異物が発見されれば、回収や謝罪対応など多大なコストと信用低下を招きます。
また、社内で混入が発覚した場合でも、原因究明が必要となり、生産性が大きく損なわれます。
怪我に繋がる
バリは鋭利なトゲのような形状になっていることが多く、触れると怪我を負うリスクがあります。
現場の作業者や、製品の利用者の安全を守るためにもバリ取りは大事です。
バリ取りの主なやり方8選
この章ではバリ取りの主なやり方をご紹介します。
バリ取り専用工具
バリを取るための専用の工具を使う方法です。
・面取り用
・穴用
など、製品によって用途や形状が異なります。
比較的低コストで導入できます。
研磨工具
・研磨シート
・研磨ベルト
など、研磨工具を用いてバリを削り取る方法です。
平面部や、製品の外側にできたバリの処理に向いています。
削りすぎると寸法が変わる恐れがあるので注意が必要です。
ブラシ
ブラシを機械で回転させ、そこに製品を押し当てることでバリを除去します。
ブラシの素材や硬さを変えることで幅広い材質に対応できます。
バレル加工
ドラム状の容器の中にコンパウンド、研磨石、加工物を入れ、回転や振動させることで、中身をぶつけ合い、バリを除去するやり方です。
容器には加工物を複数入れられるので、量産に向いています。
ショットブラスト
投射材を高速で吹きつけることで、バリを取り除く方法です。
複雑な形状や、大型のものにも対応可能です。
製品に直接投射材をぶつけるため、表面が凹むリスクがあるのがデメリットです。
砥粒流動加工
研磨材を含んだ粘性のある流体を部品の内部に流し込む方法で、主に筒や穴のバリ取りに使われます。
硬度が高い材質にも使えます。
熱的加工
密閉容器内に加工物を入れ、その中で可燃性ガスを燃焼させることで、バリを焼き取る方法です。
複数箇所のバリを同時に処理できます。
また細かい部分のバリの処理にも適しています。
安全管理を十分に行う必要があります。
化学的加工
専用薬液によって金属表面を溶解させ、バリを除去する方法です。
機械的な力を加えないため、変形や傷のリスクが少ないです。
バリ取りはNC旋盤やマシニングセンタを使って自動化できる?
バリ取りは、NC旋盤やマシニングセンタを活用することで自動化できます。
NC旋盤もマシニングセンタも数値制御によって工具の動きを制御し、自動で加工を行う機械です。
面取りのツールや、ブラシを機械に取り付け、バリ取りの工程をプログラムに組み込むことで、自動でバリ取りを行います。
バリ取りをNC旋盤やマシニングセンタで自動化するメリット2つ
この章ではNC旋盤やマシニングセンタを用いてバリ取りをするメリットをご紹介します。
作業時間の短縮
加工工程の中にバリ取りを組み込むことで、仕上げの作業を減らすことができます。
これにより、生産効率が大きく向上します。
また、機械が自動で処理を行うため、長時間の連続加工にも対応でき、全体のリードタイム短縮にもつながります。
特に量産品の製造では大きなメリットとなります。
作業品質が安定する
手作業によるバリ取りは、作業者の経験や技術によって仕上がりにばらつきが生じることがあります。
一方、NC旋盤やマシニングセンタで自動化すれば、あらかじめ設定したプログラム通りに工具が動くため、常に一定の品質でバリ取りを行うことが可能です。
バリ取りをNC旋盤やマシニングセンタで自動化するデメリット2つ
この章ではNC旋盤やマシニングセンタでバリ取りを行うデメリットをご紹介します。
初期投資が必要
バリ取りを自動化するには、NC旋盤やマシニングセンタの導入だけでなく、専用の工具の準備が必要になります。
そのため、設備費用や導入コストが比較的高くなる点がデメリットです。
また、設備の導入後も工具の交換やメンテナンスが必要で、一定の運用コストも発生します。
多品種少量生産には不向きな場合がある
多品種少量生産の場合、頻繁に製品形状が変わるため、その都度プログラムの変更も必要です。
場合によっては手作業でバリ取りを行った方が効率的なケースもあります。
バリ取り作業時の注意点3つ
この章ではバリ取りの作業を行うときの注意点をご紹介します。
製品に傷をつけない
・研磨しすぎて製品の寸法が変わる
・ブラスト加工で表面が凹む
など、作業中に本体を傷つけてしまったり、品質を損ねてしまうことがあります。
そのため、あくまでバリ取りだけの必要最小限の処理を行うことが大事です。
二次バリに注意
「二次バリ」とはバリ取りの作業中に発生した新たなバリのこと。
例えば、バリ取りの際、削る方向や工具の当て方が適切でない場合、材料がめくれ上がり、別の箇所に小さなバリが生じてしまうことがあります。
二次バリを見落とすと、組み立て不良や機能低下が発生する可能性があります。
そのため、バリ取り後には必ず二次バリができていないか確認しましょう。
怪我防止のための装備をする
バリは鋭利な形状なので、作業中に触れたり、取れた衝撃で飛んで来たりして怪我する可能性があります。
そのため、丈夫な作業用手袋や保護メガネなど、適切な保護具を着用しましょう。
また、作業スペースを整理整頓し、安定した姿勢で作業できる環境を整えることも大切です。
まとめ
バリ取りは製品の品質を守ったり、安全性を高めるために欠かせない工程です。
製品が完成した後はよく観察してバリが生じていないか確認しましょう。
突起のような形状をしており危ないので、バリ取りの作業時は安全対策を行ってください。
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