自動造型機の種類・選ぶときのポイントをご紹介
この記事では次の内容をまとめています。
・自動造型機で行われる5ステップ・自動造型機の種類
・自動造型機を選ぶときのポイント
自動造型機を用いた鋳造をしようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
自動造型機で行われる5ステップ
この章では自動造型機が行う主な作業をご紹介します。
枠のセット
まず、造型の際に用いる枠を機械にセットします。
使用する枠の大きさは機械によって異なります。
砂込め
型の材料である砂を流し込む作業です。
機械なら砂の量も入れ方も一定なので、安定した品質の鋳型が出来上がります。
砂の充填のやり方は機械によって異なります。
造型
圧力をかけるなどして砂を固めます。
搬送
搬送も自動化されます。
人の手によって運ばないことで、落としたり、どこかにぶつけたりして製品が壊れるのを防ぐことができます。
鋳物の取り出し
鋳型を枠から抜いたり、鋳型から製品を取り出したりといった作業も行います。
かつては全て人手によって行われた鋳造ですが、自動造型機の誕生により、このようにあらゆる工程を自動化できるようになっています。
自動造型機の種類
自動造型機は様々なメーカーから販売されており、性能や得意分野は機械によって異なります。
例えば、次のような自動造型機があります。
・振動で砂込めをする造型機
・衝撃波で砂込めをする造型機
・圧力をかけて砂込めをする造型機
・水平割り方式
・多数個込めが可能な造型機
このように砂込めの方法1つとっても、やり方は違います。
自動造型機を選ぶときに見るべきポイント6つ
この章では自動造型機を選ぶときに見るべきポイントをご紹介します。
対応可能なサイズ
まずはサイズです。
自動造型機で型を製作するとき、まずは枠をセットします。
この枠よりも大きな型を作ることはできません。
枠のサイズは機械によって異なるので、依頼するときは業者の自動造型機の枠サイズの確認が必要です。
ちなみに、弊社が採用している「自動造型機 AMF-Ⅱ型」の枠サイズは450mm×550mmです。
対応可能な形状
依頼したい製品の形状に対応できるかどうかも大事なポイントです。
あまりに複雑な形状では対応できないこともあります。
自動造型機の中には造型性が高いものもあるので、複雑な製品の場合でも、まずは問い合わせをして、対応可能かどうか聞いてみましょう。
生産性
生産性の高さも機械によって異なります。
例えば、多数個込めが可能な造型機は生産性が高いです。
自動造型機なら多数個込めでも一定の品質で型を製作するので安心です。
生産性が高いと製造にかかる時間が短くなり、必要な人件費が減るので、コスト削減にも繋がります。
精度の高さ
機械によって精度の高さには微妙な違いがあります。
型の寸法が異なっていると製品も正確なものができず、最悪の場合は作り直しになることも考えられるので、精度の高さは非常に重要です。
ただし、自動造型機は機械によって製作を行うので、基本的にはどの造型機でも精度が高く、品質も安定しています。
コストパフォーマンス
コストパフォーマンスの高さは依頼者にとっては気になるポイントですよね。
ただし、依頼する側が業者の採用している機械のコストパフォーマンスの高さは見極めるのは難しいです。
そこで、予算が限られている場合は、打ち合わせの段階でその旨を伝え、対応可能かどうか確かめましょう。
ただし、無理に価格を抑えようとすると、品質低下を招くことも考えられるので注意が必要です。
量産と少量生産のどちらが得意か
自動造型機は機械で生産するので基本的には量産が得意です。
ただし、機械によっては多品種少量生産に向いているものもあります。
業者に生産したい量を伝え、適切な製造方法を判断してもらいましょう。
自動造型機を用いた鋳造を依頼するときに確認すべきポイント7つ
この章では自動造型機を用いた鋳造を依頼する際に見るべきポイントをご紹介します。
業者の実績
まず、製作実績は非常に重要なポイントです。
自動造型機は精度や品質が高い型を作れますが、業者に操作する能力がなければ当然、製造することはできません。
そのため、機械による生産とはいえ、実績が豊富かどうかをあらかじめ調べるのがおすすめです。
製作実績をホームページに載せているケースがあるので、気になる業者がある場合はぜひ一度サイトを覗いてみましょう。
サイトに掲載されていない場合でも、打ち合わせの際にお願いすれば、製作したものを実際に見せてもらえるでしょう。
お客様の声
依頼を考えている人にとって、お客様の声は非常に参考になります。
具体的な依頼内容や業者の対応など、ホームページを見るだけでは得られない情報を知ることができます。
弊社でもご依頼いただいたお客様の声をまとめておりますので、ぜひご覧ください。
業者が有する技術
業者が所有している機械や技術も確認しましょう。
先ほども触れたように、自動造型機には様々な種類があり、性能もそれぞれ異なります。
また、会社自体に蓄積しているノウハウやスキルによっても、鋳造のクオリティは変わります。
例えば、古くからある会社は経験豊富なので、納得の行く製造をしてもらえる可能性が高いです。
品質管理プロセス
鋳造を依頼するなら当然、品質が高い製品を受け取りたいですよね。
そこで、検査体制や、不良品のチェックが行き届いている業者かどうか確認しましょう。
特に、鋳造はその特性上、不良品が発生しやすい製造方法なので、品質管理プロセスがきちんと構築されていると安心です。
予算
予算も非常に重要なポイントです。
あらかじめ希望する金額がある場合は打ち合わせの際に担当者に伝えましょう。
また、製造コストが確定したら、必ず見積書を提出してもらいましょう。
書類に残しておかなければ、口頭では予算内に収まるを聞かされていても、製造が終わった後に料金を追加され、予算を超える額を請求されるということもあるからです。
お金に関するトラブルを避けるために必ず書類を制作してもらいましょう。
納期
絶対に間に合わせたい期日がある場合は、必ず問い合わせや打ち合わせの際に担当者に伝えましょう。
希望する日によっては間に合わないと判断し、依頼を断られる場合もあります。
そのため、急ぎの用件は出来るだけ早く問い合わせをするのがおすすめです。
指定の納期が短いと、日時を指定しない場合に比べて料金が高くなることもあります。
特に納期に希望がない場合は、製造のペースを業者に任せたほうが安く済むかもしれません。
担当者の態度
問題なく依頼を終わらせるためには担当者との相性を見ておくことも大切です。
もちろん、鋳造を依頼する際は依頼通りの製品が完成することが第一優先です。
しかし、人と人とが関わることなので、担当者の態度が悪ければ後悔の残る依頼になってしまうこともあります。
例えば、レスポンスが遅かったり、打ち合わせでの態度が悪かったりすれば信用しきれず、モヤモヤを抱えたまま過ごさなくてはいけません。
そこで、担当者の態度も重要視しましょう。
まとめ
自動造型機には様々な種類があります。
例えば、砂込めの方法1つとっても、圧力を使うものがあれば振動で入れるものもあります。
また、「複雑な形状に対応できる」「比較的大きな製品にも対応できる」など、得意分野もそれぞれ異なります。
自動造型機の性能は依頼者側からはなかなか見分けにくいので、打ち合わせの際に希望を伝え、業者にどのような製造方法を用いるべきか判断してもらいましょう。
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