鋳物を海外で調達するリスクとは?国内調達のメリットを徹底解説

この記事では次の内容をまとめています。
・鋳物を海外調達するリスク
・鋳物を国内調達するメリット
・業者選びで見るべきポイント
鋳物を海外調達するか国内で調達するか迷っている方が知っておくべきポイントをまとめました。
鋳物を海外調達するリスク8つ
この章では鋳物を海外から仕入れるリスクをご紹介します。
納期の遅延が発生しやすい
まず、納期通りに来ないという問題があります。
海外で生産したものを日本に届けるまでの輸送距離は長く、
・天候
・現地の道路事情
・税関での対応
など、様々な理由により遅延するリスクがあります。
また、新型コロナウイルスのように、病気の流行によって運行遅延が発生することもあります。
一方で、輸送が日本国内で完結する場合は遅延のリスクは少ないです。
鋳造業者が近ければ近いほどスムーズに届けてもらえます。
品質面で不安がある
鋳物を海外調達する際に気になることと言えば、やはり製品の品質ではないでしょうか?
品質が悪いと、無事に製品が届いても不良などの別のトラブルの原因となります。
国内調達に比べると
・品質基準
・検査体制
などの面で不安が残ります。
納期までが長い
海外調達する場合、納品まで時間がかかるのもデメリットです。
輸送方法は船と飛行機の2通りで、船の方が長くなるのが一般的です。
どちらの輸送方法がとられるかは製品の種類やロット数によって変わるため「早く製品が欲しいので飛行機にしたい」と思っても要望が通らないこともあります。
実態が見えにくい
遠い国の工場で製造されるため、生産状況が不透明で「本当に大丈夫なのか?」と不安に感じる方もいるでしょう。
万が一、何かトラブルがあったときにスムーズに対応してもらえるかどうかも気になります。
少量では輸入できないことも
採算性の観点から少量生産に対応しておらず、一定量以上の発注が求められるケースもあります。
大きいロットで発注すると、在庫リスクや資金繰りの負担が増す可能性があります。
こうした点は、中小企業にとって大きなハードルとなり得ます。
情勢によって生産が止まることも
拠点がある国の情勢によって生産が止まるリスクがあります。
例えば、
・戦争
・政治の混乱
・治安の悪化
・自然災害
など、情勢が不安定になる要因は様々です。
そのため、国の情勢が比較的安定しているところから仕入れることが大切です。
時差により情報の伝達に時間がかかる
国によっては日本と時差があり、情報の伝達に時間がかかる場合があります。
緊急の用事があっても、相手はまだ就業時間になっていないため、なかなか返事が来ないということもあり得ます。
ちなみに、日本は平日でも相手の国では祝日というケースもあります。
輸送費がかかる
日本までの距離が長い分、輸送費もかかります。
燃料が高騰すると輸送費も上昇するため、時期によって依頼コストが大きく変動することもあります。
鋳物の製造にかかるコストだけでなく、輸送にかかるコストについても比較・検討することが重要です。
鋳物を国内調達するメリット4つ
この章では鋳物を国内調達するメリットをご紹介します。
品質面で安心感がある
日本国内で調達するメリットと言えばやはり品質の安定さです。
日本基準の体制が整っており、製造過程におけるトレーサビリティや品質管理の仕組みもしっかりしているでしょう。
安定した品質を求める企業にとって、国内調達は非常に魅力的です。
短納期に対応できる
国内の鋳物メーカーであれば、輸送にかかる時間が少ない分、短納期での納品が可能です。急ぎや試作品など、スピードが求められる案件では大きな強みになります。
また、輸送距離が短いため、天候や物流の混乱による納期遅れのリスクも少なく、安定したスケジュール管理が可能です。
安定した供給が必要な企業にとって、納期面で安心できるのは大きなメリットです。
担当者との意思疎通がスムーズ
国内メーカーであれば、言語の壁がなく、時差もないため、コミュニケーションが非常にスムーズです。
製品の仕様や進捗に関する細かい確認もリアルタイムで行えるため、認識違いを防ぐことができます。
また、トラブルが発生した場合でも迅速に対応できる体制が整っているため、信頼関係を築きやすく、長期的なパートナーとして安心して取引できます。
スムーズな意思疎通は、高品質な製品づくりに欠かせない要素です。
現場を見学できる
国内調達のメリットとして、実際に製造現場を見学できる点もあります。
工場を訪問すると、製造工程、設備、品質管理体制を自分の目で確認できます。
これにより、製品の品質や安全性に対する信頼度が高まり、安心感につながります。
鋳物の海外調達の業者選びで見るべきポイント9選
この章では業者を選ぶときのポイントをご紹介します。
打ち合わせに時間をかけているか
海外調達では事前の打ち合わせが重要です。
製品の仕様、納期、品質基準などを細かくすり合わせることがトラブルの予防に繋がるからです。
また、打ち合わせにしっかり時間をかけるということは顧客に対して真摯に向き合っている証にもなります。
担当者のレスポンスの速さ
問い合わせへの対応のスピードや正確さは、業者の信頼性を測るうえでの大きな判断材料となります。
現場と時差や言語の違いはありますが、その中でできる限りの対応をしてくれる業者は信頼できます。
日本語でのサポートの有無
日本語でのやり取りができるスタッフがいると、細かい点まで擦り合わせができるので安心です。
通訳を介してやり取りする方法もありますが、日本語が話せる担当者と直接話す方がニュアンスが伝わりやすく、安心して進められます。
鋳物の検査体制
高いレベルの検査体制が整っているかどうかを確認しましょう。
検査体制が不十分だと、出荷された製品に不良品が混ざるリスクが高まります。
これでは納期までに十分な品質の製品が揃わない可能性が出てきてしまいます。
実績
日本企業との取引実績が豊富な業者は安心して依頼できます。
日本の品質基準やビジネス面での文化を理解している可能性が高いからです。
また、自社と業界や製品の種類が似ている事例があるかどうかも確認しておきたいポイントです。
サポート体制
製品に不良などのトラブルがあった場合のフォロー体制も事前にチェックしておきましょう。
例えば、製品不良や納期遅延が発生した場合、
・どのようなサポートがあるか
・責任の所在はどこか
といったことを事前に確認しておきましょう。
現地スタッフの技術力
現地スタッフがどのような教育を受け、どんなレベルの技術力を持っているか分かると安心です。
例えば
・責任者は日本から派遣されている日本人
・現場のスタッフは日本で研修を受けている
このような企業なら安心して依頼できますね。
海外拠点の種類
複数の国に生産拠点を持つ企業は、供給体制が安定していると言えます。
例えば、一つの工場が何かしらの理由で稼働できなくなっても、別の拠点で生産し、輸入することが可能で、リスク分散になります。
最小ロット
鋳物は工程の特性上、少ないロットは断られることがあります。
また、輸送時にコンテナを使用する場合、ロットが少ないと空きスペースが多くなり、輸送コストが割高になることから、少量生産は受け付けていない場合もあります。
ただし、企業によっては混載便を利用することで船による輸送でも少ないロット数に対応している場合もあります。
このように、企業によって様々なので、最小ロットは必ず確認しましょう。
当社の鋳物の生産体制について
当社は全ての製品を日本で製造しています。
鋳造、機械加工、組立、検査まで1社で一貫生産しているので、運賃などにかかるコスト・時間を削減できます。
1個から対応できますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
鋳物を海外で調達するとき、品質面や納期面など様々な不安要素があります。
一方で、国内調達すれば、日本基準の高いレベルの製品が手に入りますし、輸送にかかる時間が少ない分、納期も短くなります。
安心して取引をしたいなら国内調達がおすすめです。
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