青銅と砲金と真鍮のメリット・デメリットを徹底比較
この記事では次の内容をまとめています。
・青銅のメリットとデメリット
・砲金のメリットとデメリット
・真鍮のメリットとデメリット
青銅、砲金、真鍮の特徴について詳しく知りたい方が知っておくべきことを全てまとめました。
青銅・砲金・真鍮の違い
青銅
銅とスズを合わせた合金です。
赤褐色で、腐食すると青い錆が発生します。
昔から使われている金属の1つで、大仏には青銅が使用されています。
砲金
青銅の一種で、銅にすずと亜鉛が添加されています。
青銅と同義で扱われることもありますが、この記事では別の素材としてご紹介します。
真鍮
銅と亜鉛を合わせたもので、黄銅と呼ばれることもあります。
青銅のメリット
この章では青銅のメリットをご紹介します。
機械部品に向いている
青銅には
・耐摩耗性に優れる
・強度が高い
といった特徴があるため、負荷がかかったり、金属同士が擦れ合うような機械部品に向いています。
実際に、軸受や歯車といった用途で使用されています。
耐食性に優れる
腐食が進行しにくい性質を持つため、船舶部品、バルブ、ポンプ部品など、水や海水に触れる中でも長期間に渡り安定した性能が求められる用途で広く使用されています。
複雑な形状にも対応できる
青銅は配合されているすずの融点が低いため鋳造性が高く、細かな凹凸があったり、入り組んだ形状をしている複雑な製品も高精度で製造できます。
鋳造は欠陥が発生しやすい加工方法で、鋳造性が高い素材を選ぶことで不良品が発生するリスクを減らすことができます。
切削加工だけでは難しい形状でも対応できるため、多様な分野の製品で活用されています。
青銅のデメリット
素材のコストが高い
青銅は黄銅に比べるとコストが高いです。
これは添加されているすずの価格が黄銅に添加されている亜鉛よりも高いためです。
そのため、大型の部品や大量生産品に使用する場合、全体のコストを押し上げる要因となります。
ただし、青銅は先ほども触れたように耐食性や耐摩耗性に優れており、交換頻度やメンテナンス費用を抑えられるため、初期費用だけでなく長期的な視点で評価することが重要です。
砲金のメリット
この章では砲金のメリットをご紹介します。
耐海水性に優れる
砲金は青銅の一種なので、基本的な性質は青銅と同じですが、耐海水性に特に優れており、錆びによる劣化や漏れのリスクを低減できます。
船舶部品や海水ポンプなど、海水と接触する機器に広く使用されています。
鋳造しやすい
青銅のメリットでも触れましたが、砲金も流動性に優れ、溶融した金属が型の細部まで行き渡りやすいため、複雑な形状の部品でも比較的容易に製造できます。
砲金のデメリット
青銅ほど耐摩耗性は高くない
砲金は耐摩耗性に優れていますが、青銅ほどではありません。
ただし、適度な強度があり、耐食性・耐海水性、被削性も優れており、バランスの良い素材と言えるでしょう。
真鍮のメリット
この章では真鍮のメリットをご紹介します。
コストが比較的安い
青銅に比べると安い素材です。
真鍮に含まれる亜鉛の価格は青銅に含まれるすずのおよそ10分の1程度です。
もちろん、金属の相場は常に変動していますが、大きな価格の差があることはお分かりいただけると思います。
つまり、黄銅を使用すれば材料コストの節約になるため、大量生産品に向いています。
被削性が高い
鉛を添加した真鍮は被削性が高く、旋盤やフライス盤による高精度な加工に適しています。
切りくずが細かく分断されやすく、工具への負担が少ないため、高速加工でも安定した品質を維持できます。
精度と生産効率の両方が求められる製品に向いています。
展延性が高い
引き伸ばしたり、叩いて広げたりしても割れにくく、薄板や線材への加工に適しています。
装飾部品や端子など、加工の過程で大きな変形を伴う製品に多く利用されています。
見た目が綺麗
真鍮の大きな特徴の1つが見た目の綺麗さです。
黄金色で光沢のある煌びやかな見た目をしています。
トランペットを思い浮かべていただけると分かりやすいと思います。
こうした特徴を持つため、アクセサリーや装飾品のように、華やかさが求められるシーンで重宝します。
ただし、真鍮は時間とともに腐食し、色が変わってしまうため、見た目を維持したい場合は対策をしなくてはいけません。
真鍮のデメリット
この章では真鍮のデメリットをご紹介します。
脱亜鉛腐食
水に触れたときに亜鉛が溶け出す現象で、脱亜鉛腐食が発生すると強度は落ちてしまいます。
水道回りに使われている製品で脱亜鉛腐食が進むと、漏水が発生する原因になります。
現在では、脱亜鉛腐食を防ぐため、すずや鉛を加えた耐脱亜鉛黄銅という素材も使用されています。
硫化銅による黒ずみが発生することも
黄銅は硫黄成分を含む環境に晒されることで、表面に硫化銅の皮膜が形成され、黒ずみができることがあります。
機能面で大きな影響は出なくても、見た目が悪くなってしまうため、装飾用途で使われている場合、大きなデメリットとなります。
そのため、大気中に硫黄成分を含む環境下や、硫黄が含まれるゴムと接触する製品には向きません。
ひび割れを起こしやすい
アンモニアに晒されることで応力腐食割れと呼ばれるひび割れを起こすことがあります。
ただのひび割れのように見えても、実際は深くまで進行しており、突然、破損してしまうことも考えられます。
鉛を含む種類がある
よく使われる黄銅の中には鉛を含むものがあります。
代表的なものが、切削性を向上させるために鉛を添加した快削黄銅です。
加工効率に優れるのは大きなメリットですが、現代では鉛の人体への影響が懸念されており、水道回りの製品や飲料水に関わる設備では、鉛を使用しない金属が選ばれる傾向にあります。
そのため、用途に応じて黄銅の中でも適切な材質を選定することが重要です。
材料の選定で失敗しないためのポイント4つ
この章では材料の選定で失敗しないために重視すべきポイントをご紹介します。
使用環境を確認する
材料を選定する際は、製品がどのような環境で使用されるかを最初に把握することが重要です。
例えば
・屋外で使用され、雨や風の影響を受けるか
・海水や薬品に接触するか
・高温や高湿度といった環境で使用されるか
このような様々な条件によって、求められる性能は大きく異なります。
例えば、雨風に晒される環境下であれば耐食性が高い素材が適しています。
使用条件を明確にすることで、適切な材料を選びましょう。
加工方法を考慮する
材料によって、鋳造、切削、プレスなど、向いている加工方法は大きく異なります。
加工方法と相性の良くない素材を選ぶと、加工時間が増加したり、工具の摩耗によってコストが上昇することがあります。
一方で、適切なものを選べば、品質の安定と生産効率の向上を両立できます。
コストとのバランスを取る
価格の安さだけで判断しないことが大切です。
安価な材料でも耐久性や耐食性が不足すると、交換頻度やメンテナンス費用が増え、結果として総コストが高くなることがあります。
一方で高性能な材料は初期費用が高くても、長期間に渡って安定して使用できます。
材料費、加工費、維持管理費まで含めたトータルコストで比較することで、後悔しない選定ができます。
業者に相談する
素材についてあまり詳しくない場合は業者に相談し、専門家の目線で適切なものを選んでもらいましょう。
まとめ
青銅、砲金、真鍮はそれぞれメリット・デメリットが異なり、求める条件や使用する環境によって、最適な材料は変わります。
どの素材を使用すべきか分からない場合は、業者に相談するのがおすすめです。
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