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鋳造と鍛造の違いをどこよりも詳しく解説

鋳造と鍛造の違いをどこよりも詳しく解説

この記事では次の内容をまとめています。

・鋳造と鍛造の違い
・鋳造の特徴
・鍛造の特徴

製品を製作するのに鍛造と鋳造のどちらを選ぼうか迷っている方が知っておくべきことを全てまとめました。

鋳造と鍛造の違い8つ 

この章では鍛造と鋳造の違いを項目別にご紹介します。

製作方法

まず、製作方法に大きな違いがあります。

鋳造は溶かした金属を型に流し込み、冷やして固めることで成形します。

一方で、鍛造は固体の金属をハンマーやプレスで叩いて成形するのが特徴です。

どちらも金属の加工方法で、製品の使い道や形状など様々な条件によって選ぶべき方法は変わります。

強度

強度は鍛造の方が高いです。その理由は加工方法にあります。

金属を叩くと内部に圧力が加わります。

このとき、細かい隙間が潰され、結晶が微細化して大きさが均一になり、整います。これにより強度が高まります。

そのため、より強度を必要とする製品を作る際は鍛造が選ばれます。

欠陥

鋳造は加工の過程で金属の内部に気泡が入ってしまうことがあります。

この気泡があると強度は落ちてしまいます。ただし、適切に加工すれば気泡の発生を防ぐことができます。

一方で、鍛造は叩いて加工するため、内部に気泡が発生することはなく、強度は安定しています。

コスト

コストは一般的に鋳造の方が安い傾向にあります。

金型で鋳造する場合、一度型を作れば何度も同じ形の製品を作れるのでコストを抑えながら大量生産できます。

砂型は金属が固まると崩さなければいけないので使い回しはできませんが、砂は再利用できますし、コストも安いのでこちらも安く済みます。

ただし、これはあくまで傾向の話で、寸法や形状によっては鍛造の方が安く仕上がることもあります。

工程

鋳造の主な工程は次の通りです。

造型:金属を流し込む型を作る
溶解:金属を溶かして液体状にする
鋳込:溶かした金属を型に流し込む
後処理:型から取り出し、砂やバリを落とす
仕上げ:機械加工や塗装を行う

鍛造の工程は次の通りです。

切断:金属を必要な分だけ用意する
加熱:材料を加熱
成形:ハンマーやプレスを用いて加工する
後処理:バリや酸化鉄を取り除く

製品の厚さ

鍛造は強度が高いので鋳造よりも薄い製品を作ることができます。

そのため、軽量化が可能なのがメリットです。

鋳造で作られる製品は強度を保つためにある程度厚さが必要です。その分、重量は増えてしまいます。

薄い製品や軽い製品をお求めの方は鍛造が適しているでしょう。

加工時間

加工時間は鋳造の方が短い傾向にあります。

特に、大量生産の場合は金型を使えば何度も使い回せるので効率的に生産できます。

一方で、鍛造は何度も叩いて加工するため、時間がかかりやすいです。

鍛造でも型を使って行う方法がありますが、それでも鋳造の方が製造効率は高いです。

加工時間が短いとそれだけ従業員の拘束時間が減るので、コストの面でもメリットがあります。

製品例

鋳造で作られる製品は日常の様々な場面で使われています。

コストを抑えつつ大量生産したい場合や、デザインが複雑な製品を扱う際に選ばれます。

・マンホール
・自動車部品
・鍋
・玩具
・鐘
・大仏
・銅像

鍛造は耐久性の高さが求められる製品や高熱に耐えなければいけない製品を作る際に使われます。

例えば次のようなものです。

・包丁
・ハサミ
・ナイフやフォーク
・クレーンのフック
・自動車のギア
・タイヤホイール
・ジェットエンジン
・ペンチ
・カンナ
・指輪
・ゴルフクラブ

鋳造の特徴4つ

この章では鋳造の特徴を補足としてご紹介します。

1 複雑な形状でも製作しやすい
2 大量生産に向いている
3 鋳型の種類によって特徴が異なる
4 様々な欠陥が起こりやすい

複雑な形状でも製作しやすい

鋳造は複雑な形でも短時間で製作できるのがメリットです。

複雑な分、型を作るのには時間がかかるかもしれませんが、その代わり一度作れば何度も使いまわせます。

また、鋳造では鈴のように中に空洞がある形も作れます。

そのため、マンホールや銅像のような細かいデザインがある製品を作る際に選ばれます。

ちなみに、鋳造は大きさの自由度も高く、小さな部品から大仏のような大きさのものまで作ることができ、対応できる製品の幅は非常に広いと言えます。

大量生産に向いている

鋳造は大量生産に向いている金属加工法です。

何度もお伝えしているように、型を使いまわすことができるからです。

ただし、試作品や少ロットのように数を必要としない場合でも鋳造はおすすめです。

砂型などの安い型を使うことでコストを下げることができ、さらには比較的短時間で仕上がるためです。

鋳型の種類によって特徴が異なる

鋳造には様々な型の種類があり、それぞれ特徴が異なります。

簡単に主な種類とそれぞれの特徴の違いをご紹介します。

砂型鋳造

砂でできた型を使う鋳造。古来から使われている鋳造方法で歴史は長い。

流し込んだ金属が固まると、その都度型は崩されるため、生産効率は低い。

ただし安価で型を作れるというメリットがある。

金型鋳造

金属でできた型を使う鋳造。

型を何度も使い回せるので生産効率が高く、大量生産に向いている。

寸法精度が高いのがメリット。型にかかる費用は砂型よりも高い。

様々な欠陥が起こりやすい

鋳造はその加工方法から次のような欠陥が起こりやすいです。

未充填…最後まで溶かした金属を充填できない

ひけ巣…製品の表面に凹み、内部に空洞ができること

ひずみ…凝固してから冷えるまでの過程でひずみが発生する

低音割れ…割れや亀裂が発生する

こうした欠陥は適切に加工すれば防ぐことができるので、技術力のある業者に依頼するのがおすすめです。

鍛造の特徴4つ

この章では鍛造の特徴を補足としてご紹介します。

1 必要な材料の量が少ない
2 仕上げの工程が簡単
3 複雑な形状の製品には向かない
4 メタルフローで粘り強さが出る

必要な材料の量が少ない

鍛造は叩いて成形するため、必要な材料の量が少ないです。

そのため、最初に材料を切断する際は最低限の量をとります。

別の金属加工のやり方である切削加工は材料をどんどん削りながら加工するため、多めに材料を用意しなければならず、無駄な切り屑がたくさん出てしまいます。

鍛造は材料の節約に繋がるのがメリットです。

仕上げの工程が簡単

鍛造では加工が終わった段階での完成度が高く、後処理にあまり時間がかかりません。

鍛造の仕上げの工程では不要なバリを取り除いたり、ショットブラストで酸化鉄を除去したりします。

複雑な形状の製品には向かない

鍛造は複雑な形状の製品にはあまり向きません。

導入している設備によっては複雑な加工も可能ですが、それでも鋳造ほどではありません。

そのため、複雑な形状の製品を求める場合は鋳造の方が適しているでしょう。

ちなみに、鍛造は次のような製品を求めている方におすすめです。

・強度が高い
・高熱でも変形しない
・強い衝撃が加わっても変形しない
・安全性が高い
・デザインが複雑すぎない

メタルフローで粘り強さが出る

鍛造によって作られた製品には形に沿ってメタルフローができます。

メタルフローとは金属に力を加えることで発生する線形状の金属粒子の流れです。

メタルフローがあると、反復曲げ応力に強くなり、強度も高くなり、耐久性が増します。

ちなみに、鋳造製品にはメタルフローは存在しません。

まとめ

鋳造と鍛造はそれぞれ似たような名前ですが、大きな違いがあります。

鋳造はあらかじめ作った型に、溶かした金属を流し込んで成形するもの、鍛造は固形の金属を叩いて成形するものです。

それぞれメリットやデメリットがあり、金属加工をする際にどちらを選ぶべきかは求める条件によって異なります。ぜひ業者に相談してみましょう。

 

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