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バレル研磨の特徴・メリット・デメリットを徹底解説

バレル研磨の特徴・メリット・デメリットを徹底解説

この記事では次の内容をまとめています。

・バレル研磨の特徴
・バレル研磨のメリット
・バレル研磨のデメリット


バレル研磨を業者に依頼しようか考えている企業が知っておくべきことを全てまとめました。

 バレル研磨の仕組み

「バレル」とは「樽」を意味し、ドラム状のバレル容器を使って研磨が行われます。

研磨機の中には次のものを入れます。

・コンパウンド・・・液体と粉末の2種類がある。洗浄や防錆などの効果があり、研磨をサポートする


・水・・・コンパウンドとともに用いられる。乾式研磨では使用しない。


・研磨石・・・研磨を行う過程で自らも磨耗する。大理石、セラミック、プラスチックなど様々な材質があり、バレル研磨を行う目的によって種類が使い分けられる。


・ワーク・・・研磨をかける部品や製品のこと。パーツや工作物と呼ばれることも。

これらを混ぜ合わせ、機械の中でお互いがぶつかり合うことによって研磨されます。

バレル研磨の特徴

製造の仕上げ段階で使われることが多く、自動車部品や電子機器など、幅広い業種の製品に対して用いられます。

薬液などは使わず、バレル容器に入れたもの同士がぶつかることによって研磨するのが特徴です。

研磨石の種類によって仕上がりが変わるため、様々な用途で用いることができます。

例えば、次のような目的で使われます。

・バリ取り
・スケール取り
・光沢仕上げ
・R付け
・平滑仕上げ

研磨石や機械によっては光沢研磨や鏡面仕上げに近い仕上がりを実現することも可能です。

バレル研磨を利用するメリット3つ

この章では製造の仕上げにバレル研磨を利用するメリットをご紹介します。

作業者の腕に左右されない

バレル研磨は仕上がりが作業者の腕にあまり左右されず、品質が一定になりやすいというメリットがあります。

これは研磨が手作業ではなく、専用の機械の中で行われるためです。

研磨剤の選定、コンパウンドの割合、研磨時間などの条件が同じであれば、作業者が違っても仕上がりはほぼ同じになります。

完全に手作業の場合、ロットが大きいと製品によって品質にバラつきが出てしまうので、大ロットでの製造には特に向いています。

一度に複数の製品を研磨できる

バレル容器の中には1つだけでなく、複数の製品を入れて加工することができます。

そのため、大ロットでも早く仕上げることが可能です。

コスパがいい

一度に複数の製品を加工できることから、コスパがいいというメリットがあります。

似たような研磨方法のバフ研磨に比べて安く依頼できます。

一方で、小ロットでの依頼の場合、あまりコスト面においてメリットがない可能性もあります。

バレル研磨は次のような企業におすすめの加工方法です。

・大ロットで依頼したい
・少しでも安く済ませたい

バレル研磨を利用するデメリット5つ 

この章ではバレル研磨を利用するデメリットをご紹介します。

大きい製品は研磨できないことも

バレル研磨は専用のドラム状の機械の中で行われます。

そのため、バレル容器の中に入らないほど大きな製品は研磨を行うことができません。

依頼しても、その会社の研磨機の大きさによっては断られることがあることを覚えておきましょう。

バレル研磨が不可能な場合、バフ研磨などを選ぶことで対処できます。

小ロットではメリットが少ないことも

一度に多くの製品を加工できることから、バレル研磨には大ロットだとコストパフォーマンスがいいというメリットがあります。

一方で、小ロットの場合はあまりコスパが良くないこともあります。

そこで、大ロットではない場合、バレル研磨以外の方法も検討し、依頼する前にコスト面でメリットがあるかどうかをよく確かめるのがおすすめです。

複雑な形状のものは不向き

バレル研磨はある程度複雑な形状のものにも対応できますが、複雑すぎると全ての部分を研磨することができず、仕上がりにムラができる可能性があります。

研磨石が製品の表面に当たることによって磨かれるため、形状の複雑さによって研磨石が届かなければ研磨することができないからです。

そこで、複雑な形状の場合は一度、業者にバレル研磨で対応できるか聞きましょう。

もし、不可能な場合でも、バフ研磨や薬剤を用いた工法を利用することで対処できます。

研磨中に傷が付くことも

研磨機の中に複数の製品を入れることで、製品同士がぶつかりあい、傷がついたり、凹みが生じたりすることがあります。

ただし、業者によってはこうした事態を防ぐために仕切りのついたバレル容器を使用している場合もあります。

これなら、製品同士がぶつからないので安心です。

もし、絶対に傷や凹みを避けたい場合は、依頼する前に業者にどのような機械を使っているか聞いてみましょう。

一度に複数の製品がダメになるリスクがある

一度に複数の研磨を行えるのは大きなメリットですが、一方で、加工方法が合わなかったり、製品同士がぶつかったりして、製品に傷や凹みがついてしまった場合、一度の加工で多くの製品が使用できなくなってしまいます。

このようなリスクがあることを頭に入れておきましょう。

バレル研磨の4つの種類 

この章ではバレル研磨の4つの種類についてそれぞれご紹介します。

回転式

バレル容器をゆっくり回転させて研磨を行う方法です。回転数は少なめです。

一度に投入できる量はあまり多くありません。中くらいの大きさの工作物に向いています。

加工時間は數十分から数日と時間はかかりますが、仕上がりは安定しやすいのが強みです。

回転式バレル研磨で使われる容器は構造が単純なので壊れにくく、安価で、万が一壊れてもメンテナンスは簡単です。

そのため、安価で研磨を提供できます。

振動式

モーターによってバレル容器全体を振動させることで研磨石や製品を衝突させる方法です。

ものを入れる面積が広いため、長いものや大きめのものでも対応できます。

一方で、小さめの工作物にはあまり向きません。

また、容器は研磨中に密閉されないため、状況を途中で確認できます。

バレルにはボックスタイプとサークルタイプの2種類があります。

遠心式

遠心力によって研磨する方式です。

機器にはそれぞれ独立した複数のタンクが観覧車のようについていて、全体が回りつつ、タンクもそれぞれ回転するようになっています。

一度に少量しか研磨できず、中型や大型の製品には向きませんが、精度の高い仕上げが可能で、短時間で完成するというメリットがあります。

流動式

洗濯機のように容器が回転することで流れを起こして研磨します。

上部が空いているので研磨中の様子を見ることができます。

様々な大きさの工作物に対応でき、少量でも多量でも利用できます。

比較的短い時間で仕上がるのも魅力です。

バレル研磨とバフ研磨の違い 

バレル研磨と似た方法でバフ研磨というものがあります。

「バフ」と呼ばれる専用の道具を工作物に直接当てながら研磨する方法です。

手作業で行うため、複雑な形状の製品にも対応できます。鏡のようなとても綺麗な仕上がりになるのが特徴です。

ただし、作業者によって品質にバラつきが出やすいというデメリットがあります。

また、大ロットの場合はコストが高くなりやすいです。

まとめ

バレル研磨とはバレル状の容器の中にコンパウンド、水、工作物、研磨石を入れ、それらを衝突させることによって工作物の表面を研磨するものです。

製造過程の仕上げに行われるのが一般的です。

どの研磨石を用いるか、どのような配合方法で行うかによって仕上がりが変わるので、実績があって信頼できる会社に依頼しましょう。

 

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