CNC旋盤とは?NC旋盤との違いやメリット・デメリットをご紹介
この記事では次の内容をまとめています。
・CNC旋盤とは?
・CNC旋盤とNC旋盤の違い
・CNC旋盤のメリット
CNC旋盤を用いた加工を行おうと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
CNC旋盤とは?
CNC旋盤とは、コンピュータ制御によって金属などの材料を自動で切削する工作機械です。
高速回転させた材料に刃物を当てることで加工を行います。
ちなみにCNCとは”Computerized Numerical Control”の略です。
プログラミング通りの正確な制御が可能なため、人の手による加工よりも精度が高いです。
CNC旋盤とNC旋盤の違い
NC旋盤は数値制御によって動く一方、CNC旋盤はコンピュータ数値制御によって動くという違いがあります。
CNC旋盤はコンピュータを内蔵しているため、NC旋盤よりも高度で複雑な加工が可能です。
ただし、最近ではCNC旋盤が主流になっていることから、「NC旋盤」という言葉がCNC旋盤を指すケースも多いです。
CNC旋盤と汎用旋盤の違い
汎用旋盤は作業者が手動でハンドルを操作しながら加工を行う工作機械です。
これに対し、CNC旋盤は事前に作成したプログラムで自動加工します。
汎用旋盤の場合、製品の仕上がりが作業者の技術や勘に左右される部分もありますが、CNC旋盤は作業者の熟練度に関わらず、安定して生産できます。
CNC旋盤のメリット4つ
この章では加工の際にCNC旋盤を使うメリットをご紹介します。
生産効率が高い
プログラムによる自動運転を行うため、手作業に比べて加工スピードが大幅に向上します。
品質が安定する
コンピュータによる制御が行われるため、作業者の熟練度や体調による精度のバラつきが生じません。
また、ヒューマンエラーを排除できるため、常に均一で高品質な製品を加工できます。
これにより不良品発生率の大幅な低減が期待できます。
CNC旋盤は特に精度の高さが求められる製品の製造に向いていると言えるでしょう。
複雑な加工も可能
手動の汎用旋盤では不可能な高度で複雑な形状も、CNC旋盤なら数値化されたプログラムによって精度高く加工できます。
ミクロン単位での加工も可能です。
作業者の怪我リスクが低い
切削加工は切粉の飛散や巻き込まれなどによって作業者が怪我をするリスクがありますが、CNC旋盤は自動で加工を行うため、作業者が常に近くにいる必要はありません。
そのため、作業者の怪我のリスクは低いです。
作業者がCNC旋盤に直接触れるのは工具のセットや入れ替え、掃除などに限定されます。
リスクが完全にゼロというわけではありませんが、手動の場合に比べて作業環境の安全性は格段に高いです。
CNC旋盤のデメリット3つ
この章ではCNC旋盤のデメリットをご紹介します。
多品種少量生産はあまり向かない
CNC旋盤では加工を開始する前にプログラム作成や工具の設置が必要で、準備に時間がかかります。
そのため、1点物や数個だけの加工の場合、汎用旋盤で加工するよりも効率が落ちることがあります。
多品種少量生産の場合はCNC旋盤以外のやり方が適しているケースもあるかもしれません。
価格が高い
高性能な制御装置を搭載しているため、手動の汎用旋盤に比べて本体の導入コストが非常に高額です。
さらに
- ・定期的なメンテナンス費用
- ・トラブル時の修繕費
といった維持費もかかります。
導入時には回収の見込みをしっかりと計算する必要があります。
使用するにはプログラミングの技術が必要
機械を動かすにはGコードやMコードといった専用プログラムの知識や、CADやCAMの操作技術が必要です。
また、図面から最適な切削条件や工具経路を計算してコードに落とし込むスキルも求められます。
そのため、CNC旋盤を扱えるようになるまでに一定の時間を要します。
CNC旋盤の構造
この章ではCNC旋盤を構成するものをご紹介します。
主軸
加工する材料を固定し、高速回転させる部分です。
プログラムで指定された速度で回転します。
刃物台(タレット)
切削工具を複数取り付ける部分です。
プログラムの内容に応じて、自動で刃物を交換します。
これにより、人間が手動で刃物を入れ替える手間が省ける上に、異なる種類の加工を次々と行うことができます。
心押し台
長いワークを支えるパーツです。
ワークが長いと、回転時に動きがブレたり、たわみが発生するリスクがあるため、心押し台によって動きを安定させます。
切削の精度を高く保つために重要なパーツです。
ベッド
いわばCNC旋盤の「土台」となる部分です。
CNC旋盤は稼働中に振動が発生します。
ベッドは剛性と強度が高く、振動を抑制し、切削に影響が出るのを防ぐ役割があります。
制御盤(操作盤・NC装置)
プログラムの管理や、機械の運転を行う部分です。
モニターやボタンが備わっています。
CNC旋盤の加工の流れ7ステップ
この章ではCNC旋盤による加工の大まかな流れをご紹介します。
図面作成
CADなどを用いて製品の形状や寸法を定めた設計図面を作成します。
これが後のプログラム作成、加工手順、寸法検査を行うためのすべての基準となります。
NCプログラム設計
図面をもとに、刃物の移動経路や回転数などを指定したNCプログラムを作成します。
作成方法としては
- ・CAMを用いる方法
- ・手打ち入力
- ・対話式
といったものがあります。
切削工具のセット
加工に必要な工具を用意し、刃物台に取り付けます。
工具の突き出し具合や角度は切削の精度に大きく影響します。
ワークのセット
加工するワークを主軸に固定します。
細長い材料の場合は心押し台で支え、回転時にブレないよう、しっかり固定します。
プログラムの読み込み
作成したNCプログラムをCNC旋盤に読み込ませます。
本格的に加工を始める前に動作確認を行い、動きに問題がないか確かめることが大切です。
加工
準備ができたら加工を開始します。
自動で加工が行われるため、作業者が付きっきりで加工の様子を見守る必要はありません。
確認
加工が完了したら、製品を取り外し、寸法精度や表面の状態を見て、図面通りに仕上がっているか確認します。
必要に応じて追加で加工や調整を行って完了です。
CNC旋盤の主な種類
CNC旋盤には次のように様々な種類があります。
主軸台移動型自動旋盤:主軸が移動する。細長い部品を加工するのに向いている。
主軸台固定型自動旋盤:主軸は固定され、工具側が移動する。
単軸自動旋盤:主軸が1つだけ。
多軸自動旋盤:主軸を複数搭載。
タレット型:工具が円筒状に並ぶ。
櫛刃型:工具が櫛状に横に並ぶ。
フラット型:汎用旋盤と同じで、平らな刃物台に工具を設置する。
立型旋盤:主軸が垂直の向き。重量物の加工に適している。
正面旋盤:直径が長い大型の製品に向いている。
CNC旋盤でできる加工
CNC旋盤では様々な工具を使えるため、次のような加工を行うことができます。
- ・穴あけ加工
- ・ねじ切り加工
- ・外丸削り
- ・中ぐり加工
- ・テーパー加工
- ・溝加工
- ・面削り
まとめ
CNC旋盤とはコンピュータ数値制御によって自動で切削加工を行う機械のことです。
CNC旋盤とNC旋盤は厳密には異なるものですが、今では「NC旋盤」と言ってもCNC旋盤を意味することがほとんどです。
CNC旋盤は自動で加工を行うことから、高い精度の製品を効率的に生産できます。
ただし、加工を行う際はプログラミングや工具の設置など、事前準備に時間がかかります。
そのため、多品種少量生産の場合は他の加工方法が向いている可能性もあります。
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