NC旋盤でできる加工・得意な形状を分かりやすく解説
この記事では次の内容をまとめています。
・NC旋盤とは?・NC旋盤でできる加工
・NC旋盤が苦手な形状
NC旋盤による加工を検討している方が知っておくべきことを全てまとめました。
NC旋盤とは?
コンピューターによる数値制御(NC)で工具の動きを自動制御し、金属などの材料を加工する工作機械です。
材料を回転させ、そこに工具を当てて削り、形を作っていきます。
自動で加工が行われるため、手動の場合よりも精度が高くなります。
工具の種類を変えることによって様々な加工が可能です。
NC旋盤でできる加工9選
この章ではNC旋盤でできる主な加工をご紹介します。
外径加工
外径加工とは、材料(ワーク)の外側を削り、指定された形状に仕上げる加工です。
円筒状の形を作るのに適しており、材料の外径を均一に整えたり、部分的に径を変えたりする際に用いられます。
内径加工(中ぐり)
材料の内側を削り、穴を開けたり、内側の形状を作ります。
特に、既存の穴の内側をさらに工具で削って所定の寸法に仕上げる加工を「中ぐり」と呼びます。
外径加工と同様にNC旋盤が得意とする加工の一つで、円筒状の部品の内側を高い精度で仕上げたい際によく利用されます。
穴あけ加工
ドリルなどの工具を使用して穴を開ける加工です。
穴はワークを貫通するものから、一定の深さで止める、いわゆる「止まり穴」まで対応できます。
ねじ切り加工
部品の外周や内側にねじ山を形成する加工です。
NC旋盤では、ワークを回転させながら工具を一定の間隔で移動させることで、規則的なねじ山を作れます。
ボルトやナットの加工に用いられます。
溝加工
ワークの外周や内側に、一定の幅・深さを持つ溝を形成する加工です。
溝の形状に合わせた専用の工具を使用して加工します。
例えば、部品にOリングを取り付けるための溝や、部品同士を組み合わせるための溝などに利用されます。
部品の確実な結合や、機能性に関わる部分なので、正確な仕上げが求められます。
端面加工
端面加工とは、材料の端の面を削り、平らに仕上げる加工です。
NC旋盤では、回転するワークの端面に垂直の方向から工具を当てて削っていきます。
部品の長さや、組み立ての精度を決める、重要な加工です。
テーパー加工
テーパー加工とは、部品の外周を先細りに削るものです。
円錐状を作る際に用いられます。
工具を斜め方向に移動させることで、指定された角度や寸法に仕上げます。
段付き加工
段付き加工とは、材料の外側や内側に太さや深さの異なる段を作り、階段状に仕上げる加工です。
シャフト、軸、ボルトなどに使われています。
各段の寸法を正確に仕上げることが重要です。
面取り加工
面取り加工とは、部品の角(エッジ)を削り、斜めの面を作る加工です。
金属部品の鋭い角をそのままにすると、以下のようなリスクが考えられます。
・ケガの原因になる・部品同士が接触した際に傷がつく
・使用中にバリが取れてトラブルを引き起こす
そこで、NC旋盤によって角を適切な形状に加工します。
糸面取り、C面取り、R面取りと、角の仕上げ方にはいくつか種類があります。
NC旋盤で加工するメリット5つ
この章ではNC旋盤で加工するメリットをご紹介します。
自動化によって精度の高い加工ができる
NC旋盤は、あらかじめ設定したプログラムに従って工具が動くため、安定した加工を行えることがメリットです。
そのため、特に寸法のばらつきを抑えることが求められる部品の製造に適しています。
ただし、加工精度はプログラムだけでなく、機械や工具の状態にも左右されるため、適切な管理が求められます。
職人の腕に品質が左右されない
手動による作業の場合、作業者が工具の角度や切削具合などを調整するため、経験や技術によって仕上がりに差が生じる場合があります。
一方、NC旋盤では、設定したプログラムに基づいて工具を自動で動かすため、作業者による加工精度のバラつきを抑えやすくなります。
加工効率が上がる
NC旋盤での作業は工具交換の際以外は原則として自動で行われます。
そのため、作業効率は手動の場合に比べて非常に高いです。
リードタイムが短くなることで納品も早くなり、顧客にとってもメリットがあります。
大量生産が可能
NC旋盤は、同じプログラムを使用することで同一形状の部品を繰り返し加工できるため、大量生産に適しています。
また、品質を一定に保ちやすいため、製品ごとの寸法や形状のバラつきを抑えることにも繋がります。
完全自動化や連続加工が可能な設備を活用すれば、さらに長時間にわたる安定した生産にも対応できます。
材料のロスの削減
加工前に適切な加工方法や切削量を検討することで、必要以上に材料を削らずに済み、材料の無駄を減らせる場合があります。
特に、価格の高い金属を加工する場合には、材料ロスの削減がコストに大きく影響するため、メリットは大きいです。
ただし、実際にロスを減らせるかどうかは部品の形状や素材など、条件によって異なります。
NC旋盤が苦手な形状3つ
この章ではNC旋盤があまり得意ではない形状について解説します。
回転軸に対して非対称な形状
NC旋盤は、ワークを回転させながら工具を当てて加工するため、回転軸に対して形状が均一ではないものは、一般的なNC旋盤では加工が難しくなります。
狭く深い溝
NC旋盤では溝加工が可能ですが、幅が狭く、深さのある溝は加工が難しい場合があります。
まず、あまりに深いと工具が届かないことが考えられます。
また、工具の長さが十分な場合でも、切りくずの排出が上手くできなかったり、それにより加工の精度が落ちることがあります。
そのため、溝の幅や深さに応じて適切な工具を選ぶことが重要ですし、場合によっては他の加工方法が適しているかもしれません。
ピン角
ピン角とは、2つの面が交わる部分に丸みがなく、鋭く尖った角になっている形状です。
NC旋盤では工具を使って材料を削りますが、工具そのものにも形状があるため、角にどうしても丸みが残ってしまいます。
そのため、厳密なピン角が必要な場合は、追加で他の加工を入れたり、最初から別の加工方法を検討する必要があります。
NC旋盤で対応できない加工はどうする?
この章ではNC旋盤では難しい加工がある場合の解決策をご紹介します。
別の工作機械を使用する
NC旋盤で加工が難しい形状は、別の工作機械を使用することで対応できる場合があります。
例えば、複雑な輪郭の加工などには、マシニングセンタが適しています。
4軸マシニングセンタや5軸マシニングセンタなど、軸の数が多いものは複数の方向から加工できるため、複雑な形状でも対応しやすいです。
鋳造と機械加工を組み合わせる
鋳造と機械加工を組み合わせる方法もあります。
鋳造は溶かした金属を型に流し込み、冷やして固めることで成形するものです。
そのため、中に空洞があるなど、内部が複雑な形状にも対応できます。
例えば、鋳造によって製品の大まかな形状を成形した後、NC旋盤を使って、寸法精度が求められる部分を仕上げるといった組み合わせ方があります。
NC旋盤加工を依頼するときに確認したいポイント
NC旋盤による加工を依頼する業者を探す際は、求める加工に対応できるかどうかを確認することが重要です。
例えば、以下のような点を確認しましょう。
・NC旋盤による加工実績が豊富か・品質管理体制が整っているか
こうした点は、高い品質の製品を作るために重要なポイントです。
さらに、以下の点も確認しておきましょう。
・必要な数量に対応できるか・コストが予算内に収まるか
・希望の納期に対応できるか
・担当者の対応が丁寧か
こうした点も含めて総合的に判断することが重要です。
複数の会社に相談し、相見積もりを行うことで、より自社に合った業者が見えてきます。
まとめ
NC旋盤では外径加工、内径加工、穴あけ加工、溝加工など、様々な種類の加工が可能です。
一方で、細く深い溝や、ピン角など、苦手とする形状もあります。
そのため、加工の際は求める形状を実現できる加工方法を選ぶことが欠かせません。
ご自身では判断が難しい場合はまず業者に問い合わせをし、対応可能かどうか聞いてみると良いでしょう。
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